ポスターを制作してみました
監督から依頼があったので,急遽,ポスターらしきものを制作することになりました。
厚手の上質紙を買ってきて,手書きでいろいろ描き込むというのも手作りっぽくて好きなのですが,来年も使い回しできたほうが断然ラクになります。デジタルデータで制作し,拡大コピーしてしまおうということになりました。
ポスターサイズとのギャップ |
一般に,部室の扉に張っても恥ずかしくないポスターのサイズはA2ぐらいからだと思われます。
ところが,私の所有するレーザープリンタ(HP LaserJet5L)はA4サイズが限界です。
面積にして4倍,A4用紙を4枚合わせることで,ようやくA2サイズになるという差があります。
ワープロ文字というのは,意外と拡大には耐えられないもので,極端にサイズを大きくすると,文字の太さやバランスがくずれ,かなり見苦しいものになってしまいます。実際に使用する用紙のサイズが大きければ,原稿のサイズもできるだけ大きくする必要があるのです。
結論。バイト先のカラーレーザーで出力。
そもそも,モノクロのポスターではあまりに寂しい。そこで,A3対応のカラーレーザーを使用することにしました。
このサイズですと,コンビニのカラーコピーで数も増やせますし,半分ずつ拡大コピーして張り合わせれば,あっというまにA2サイズのポスターも作れます。
「身近にカラープリンタなんてない」という人は,印刷会社を経営しているOBを探してみましょう。意外と多いはずです。でもって,1~2枚程度なら,格安どころか,ほとんどタダで印刷させてくれるかもしれません。
素材の準備 |
日本拳法に詳しいイラストレーターが知り合いにいないので,手持ちの紙写真を加工して使用することに。
1.写真をスキャナー(EPSON GT-9700F)で取り込む(600dpiぐらい)
2.Photoshopで背景をすべて消す
3.画像サイズを,実際に使用する300dpiレベルに落とす
4.そのままポスター大に拡大すると汚いので,画像を[フィルタ]→[アーティスティック]→[ドライブラシ]で加工
5.使用する写真部分を範囲指定する(透明部分を選択→選択範囲の反転)
6.背景を透過させるため,境界線をパスに変換するか,手作業でクリッピングパス(平滑度は3~5程度)
6.作業用のパスを保存(これを知らずに何回か泣きました)
7.カラーモードをRGBからCMYKに変換(カラーレーザーなので)
8.EPS形式で保存(バイナリエンコード/オプション類はすべてオフ)
背景をニギヤカにする埋め草写真のほうは,あらかじめ半調をかけておき,これまたEPS形式で保存しておきました(ツール上での半調のやりかたがわからなかったので)。
デザイン組み開始 |
そのあとは,これらを組み合わせる作業ですが,今回はAdobe Illustlatorを使用します。
実際問題,「A3で出した原稿を,出力センターでA2に拡大コピーする」のと,「データを出力センターで直接A2出力してもらう」のとでは,たいして料金差がなかったりします。
そんなわけで,より印刷のきれいな「出力センター出力」(日本語的におかしいと思います)で行ける形式でデータを作成することにしました。(それ以前に,プリンターがPostscript対応なので,半ば自動決定なのでありますが)。
1.Adobe IllustlatorにA3ポートレイトのレイアウトを用意
2.背景色を全面に配置(適当な壁紙素材がなかったので水色一色)
3.画像データを配置
ちなみに,今回はテキストも思いつかず,出力センターに用意されている書体もわからなかったので,文字はありません。「拳法部」のロゴも,1.9MBの画像データであったりします。
PS対応プリンターが泣いている……。
出力センターで拡大コピー(今年はこれで一段落) |
なにぶん,Photoshopで自動的にパスを切るとか,Illutlatorでデザインを組むというのはほとんど初めてでしたので,作業も遅れに遅れて,あっというまに新入生勧誘の机出しが始まる当日になってしまいました。
早朝に出力センターにかけこみます。開いてて良かった,年中無休24時間営業のキンコーズ。ところが,DTP出力は朝の9時からの受付なのだとか。モノがモノだけに,Macintoshを使えるオペレーターさんが出勤してこないと,ダメなのようなのです。あと,データは50MBまでだそうです。
幸いA3で出力済の原稿がありましたので,それをA2へ拡大カラーコピーしてもらうことにしました。余白の切り取りや,拡大率の計算などは,全部向こうでやってもらえます。
無事に刷り上がったホカホカのポスターもどきを学生に引き渡し,あとは,学生からのテキストの追加,デザイン案などのフィードバックを待つことに。
マズったと思ったのは,用紙の選択で,大きいわりに普通の紙ですから,扱いをよほど注意しても,シワシワのぐちゃぐちゃになってしまいます。次回のデザイン変更の際には,紙の種類を変えるか,フィルム加工するなどして,野ざらしの掲示に耐えられるものにしたいものです。
ということで,ほとんど自分の覚え書きのようなレポートですが,参考になりましたでしょうか。
もっとカンタンな方法 |
Illustlatorはないけど,A3対応のレーザープリンタなら大学にある……というような人には,もっと簡単な方法もあります。
MicrosftWordに,素材をドラッグ&ドロップするだけです。
素材も,EPSファイルなどではなく,透過情報を持たせたGIFファイルで,ちゃんと重ね合わせることができます。
見逃しやすいポイントとしては,
・モノクロプリンターで出力するのならば,画像はグレースケールをかけておいたほうがいい
・貼り付けた画像データは,「図の書式設定」で「レイアウト」を変更しないと重ね合わせられない
私のように,マニュアルとかヘルプをろくに読まない人は,こういうところでも,日常的にハマってしまいます。
同類の方,ご注意ください。