日本拳法の勝ち技 ~搏撃編

 監修:日本拳法連盟審判部 2011年2月

 日本拳法の試合で最もよく見られる攻撃技は、パンチとキックです。つまり、拳で殴って、足で蹴る。ヒジやヒザも使えます。
 狙うのは、面金や外胴で、この部位に実際に当てる攻撃(突き・打ち・蹴り)を搏撃(はくげき)といいます。
 それ以外の部位は、空撃です。当ててはいけません。
 また、一定の条件を満たせば、本来搏撃とするところも空撃で一本が認められます。

実撃 搏撃(はくげき)

突き、打ち、蹴りによって、防具に強く加撃します。
(ヒジ、ヒザでの攻撃には、この条件は適用されません。)

【一本の条件】
 A、Bいずれかで一本になります。

A.次の条件を満たしたとき

  1. 所定の部位に命中し、「決め」があり、残心がそなわっている
    ※決め…気合いが充実し、相手を撃倒する撃力と冴えがある
  2. 相手の受け手または手足などに防がれていない
    または相手の受け技が弱すぎて、受けとは認められない
  3. 意思のある加撃で、まぐれ当たりでない(無意識の意思による加撃はあり)
B.連撃で相手を圧倒したとき
空撃 空撃(くうげき)

いわゆる寸止めで、当てない攻撃です。
(ヒジ、ヒザでの攻撃も含みます。)

【一本の条件】
 次のいずれかで一本になります。

  1. 相手の蹴り足をとらえて、股当ての部分に、空撃で正しく蹴り返しの技形をとる
    →股蹴り(またげり)
  2. 倒れた相手の面に、空撃で正しい技形をとる
  3. 相手を制し、所定の部位以外の急所に、空撃で正しい技形をとる
  4. 面蹴りに空撃で正しい技形をとる
    金的



面突き(めんづき) 胴突き(どうづき)  
空撃
空撃
 
面突き


連撃(れんげき)    
     

押さえ面突き(おさえめんづき) 押さえ胴突き(おさえどうづき)  
空撃
空撃

ただし、強く当ててはならない。
正しい技形をとること。

空撃
ただし、強く当ててはならない。
 



↑当てて良いのは外胴だけで、防具を着装していない背中は空撃です。

面横打(めんよこうち) 胴横打(どうよこうち)
   
面突き

 
面揚打(めんあげうち) 胴揚打(どうあげうち)




面外打(めんそとうち)  
   

 
面降ろし打(めんおろしうち)  
 

 




押さえ面肘打(おさえめんひじうち) 押さえ胴肘打(おさえどうひじうち)







面蹴り(めんげり) 胴蹴り(どうげり) 股蹴り(またげり)
空撃
空撃
 
正しい技形と気合いをもったもののみ。
空撃
空撃
体(たい)を制して。
面蹴り

面蹴り
a

a
↑基本は返し蹴りですが、体を制して足をとった突きけりも一本となります。
面踏み蹴り(めんふみげり) 胴踏み蹴り(どうふみげり) 股蹴り(またげり)
空撃
正しい技形をとること。
空撃
ただし、強く踏んではならない。
空撃
相手の足を制したときのみ
面蹴り

なお、体制しなしの空撃は禁止されています。




り 
面ひざ蹴り(めんひざげり) 胴ひざ蹴り(どうひざげり) 股ひざ蹴り(またひざげり) 
空撃
空撃
空撃
正しい技形をとること。
面蹴り
面蹴り

押さえ面膝蹴り(おさえめんひざげり) 押さえ胴膝蹴り(おさえどうひざげり)  
空撃
空撃
ただし、強く当ててはならない
正しい技形をとること。
空撃
空撃
ただし、強く当ててはならない
正しい技形をとること。