「突く」「投げる」「極(き)める(関節技)」技を競う、昭和初期に日本で生まれた総合格闘技「日本拳法」。子供から大人まで気軽に参加できる、県内で最も大きな団体が、今治市にある「今治拳友会」だ。格闘技として学ぶ男性、体と心を鍛える幼児、健康志向の女性。週2回、さまざまな目的で道場の貸し倉庫や体育施設に集まり、汗を流す。
4日夜、市内の倉庫に、4歳から中学生の男女約20人が集まり、近付く大会に備えて練習に励んだ。胴に防具とグローブを付け、2人一組となって向かい合う。「エイッ、エイッ」と気合に合わせ、突きや蹴(け)りを放つ。女の子の鋭い突きに、男の子がのけぞる。
「古里のため、『人づくりはまちづくり、まちづくりは人づくり』を、拳法で実践したい」と語る代表の村上泰史さん(49)。中京大時代は日本拳法部の主将。四段の腕前で、県日本拳法連盟会長も兼務する。会の発足は07年。ストレッチ代わりに通う母親と一緒に練習するうち、子供たちも熱中して口コミで会員が増え、今では約45人になった。
最年少は田村虎太郎君(4)。練習を始めて2年になる。「突きが楽しい。試合にも勝ちたい」と話す。
村上さんは、日本拳法の魅力を「護身術に適しているとともに、それぞれのレベルで体を動かして楽しめるところ」と語る。願いは「会員全員が、『やって良かった』と、新たな可能性を見つけてくれること」という。
【津島史人】